パパのお父さんはへっぽこ小児科医

へっぽこ小児科医によるへっぽこ育児ダイアリー+α。父親と小児科医の視点から日本の医療と世相を斬って斬って斬りまくる、なんてことはなく、日々思ったことを綴ります。何かと大変な育児、読んでいただいた人に少しでもお役に立てれば良いのですが。。。

父親が小児科医であるということ

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前回はうちのお兄ちゃんがどはまりしているyoutube動画ベスト5という、小児科医的要素のかけらもない記事を書いてしまったので、今日はちょっと真面目なことを書いてみます。

ずばり、父親が小児科医だといいことがあるか、ということです。

 

みなさん、父親が小児科医と聞くとどういうふうに思いますか?

「子どもが病気の時に安心」、「子どものプロフェッショナルだから子育ても安心」などでしょうか。

実際にうちの奥さんも同じ様なことを言われるらしいですが、「そんなことないよねー」と言っております。

僕も同感です。むしろいいことありません。

ここではそんな内情を見ていきましょう。

 

まず、自分の子どもが病気になった時ですが、基本的に無力です。

手術や処置ができる「手に職」系の医師(外科系とか循環器・消化器内科の先生方のことです、僕が勝手に呼んでます)ならともかく、基本的に小児科医にできるのは診察して適切な投薬もしくは観察を指示することだけです。

家族への投薬は、医療保険の制度上は保険者によってできたりできなかったりですが、僕は基本的にしないようにしています。なんかあった時に嫌なので。

必然的にできることは観察の指示のみになってきます。

「熱あるけど元気そうだし、多分大丈夫じゃない?心配だったらかかりつけの小児科の先生に診てもらえば?」とか「鼻と咳?風邪だから自然に治るまで待つしかないよ。鼻と咳の薬を飲んでも早く治るわけじゃないけど、飲んだら症状はちょっとましになるかな。欲しかったらかかりつけの先生に診てもらえば?」なんてことを言うわけです。

うん、結果的には普通のお父さんと同じですね。

しかも、往々にしてかかりつけの先生は僕が思うような薬を出してくれません。

下の子が生後1ヶ月くらいの時に、多分お兄ちゃんの風邪をもらったんだと思うのですが、鼻水が結構出て鼻づまりでなかなか眠れない時期がありました。

鼻水の薬には大きく分けて、鼻水をさらさらにする薬(カルボシステインとか)と鼻水が出にくくする薬(抗ヒスタミン薬)の2種類があって、このうち抗ヒスタミン薬は新生児には使わないのですが、カルボシステインは問題なく使えます。

ということで、ちょっとでも鼻づまりがましになったらと思ってカルボシステインをもらいに近所のかかりつけを受診したのですが、ただの鼻風邪だし生後1ヶ月だから薬はやめとこうと言われてしまいました。

「抗ヒスタミン薬はいらないんですが、カルボシステインだけでも…」とちょっと食い下がってみたのですが、ダメでした。己の無力さを実感しました。

その後も下の子はしばらく鼻をズビズビ言わせながら、がんばっておっぱいを飲んでいました。

 

子育てに関しても同様です。

小児科医は子どもの病気や発達のプロフェッショナルではありますが、もちろん子育てのプロフェッショナルではございません。

検診なんかをしてると、「ちょっとテレビを見過ぎかなぁ」とか「せめて夜は9時台には寝るようにしようね」とか偉そうなことを一応言っていますが、うちの子は始終テレビを見ておりますし、前回の記事にも書いたように、youtubeも見まくりです。

夜も10時より前に寝ることなんてほとんどありません。だって寝ないんですもの。

甘いものも食べまくりですし、ジュースも飲みまくり。

おやつにふかし芋?そんなものふかしたこともないぜ!

とまぁ、完全にダメな育て方です。

検診を受診されている皆様、実践の伴っていない指導をしてしまってゴメンなさい。

でもいいんです、親はなくとも子は育つ。

いろいろ制限しすぎてもひねくれてしまうかもしれないですし、のびのび育てましょう。(←典型的ダメ親の言い訳ですね)

 

このように、小児科医のメリットは父親としてはなにも生かされておりません。

世の中には小児科医として学んだことを子育てに生かす素晴らしい人もいるかもしれませんが、僕みたいなちゃらんぽらんな人間には無理ですね。

とはいえ、父親が小児科医であることのありがたみが感じられないということは、大きな病気にはかからずにすくすく育ってくれているということなので、喜ぶべきことなんですけどね。

これからも家の中で小児科医として役に立つ場面が来ませんように。なむなむ。