パパのお父さんはへっぽこ小児科医

へっぽこ小児科医によるへっぽこ育児ダイアリー+α。父親と小児科医の視点から日本の医療と世相を斬って斬って斬りまくる、なんてことはなく、日々思ったことを綴ります。何かと大変な育児、読んでいただいた人に少しでもお役に立てれば良いのですが。。。

父親になって小児科医として変わったこと、あるいは風邪薬の話

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こんにちは、あんきろさんです。

かっこよく大層なタイトルをつけましたが、中身はスッカスカで大したことのない風邪薬の話です。

 

前回は父親が小児科医だと何かいいことがあるか、という話題について書いたので、今回は逆に、父親になって小児科医として何か変わったかということについて書こうと思ったのですが、実はあんまり思い浮かばないんですね。

 

そんな中、一個だけ思いつきました!

それは、風邪で受診した子どもに抗ヒスタミン薬を処方することが増えたことです。

なんのことやら?と思われる方が多いと思われますが、抗ヒスタミン薬というのは、大人で言うところの花粉症の薬で、アレルギーを抑えるような働きがある薬です。

ア○グラ®とかア○ジオン®とかア○ロック®とか聞いたことないでしょうか。

その中で第一世代の抗ヒスタミン薬(ペ○アクチン®など)は抗コリン作用といって気道分泌物(鼻水とか痰とかですね)を減らす作用もあるので、小児科では風邪の時によく処方されます。

これを読んでいる人の中でも、お子さんが処方されたことがある人も結構いるんじゃないでしょうか。

ただ、気道分泌物は風邪を早く治そうと体が出しているものなので、薬で無理に減らすとかえって治るのが遅くなるという意見もあります。

また、第一世代の抗ヒスタミン薬には痙攣を起こしやすくなるような作用もあって、熱性痙攣で運ばれてきた子の飲んでいる薬を聞いてみると、抗ヒスタミン薬が処方されているようなことも結構あります。

そんなこんなで僕は、抗ヒスタミン薬なんか飲まなくていい、鼻は出るに任せて出しておけ、そのうちきっと治るから派だったのですが、自分の子どもに処方されて飲ませてみて印象が変わりました。

 

鼻とか痰は置いといて、第一世代の抗ヒスタミン薬を飲むとよく寝るんですよね、これが。

花粉症の薬を飲むと眠くなるというのをよく聞くと思いますし、実際に体験された方もいっぱいいらっしゃると思いますが、それと同じです。

うちの2歳のお兄ちゃんは新生児の頃から本当になかなか寝なくて、日本寝ない子選手権があったら県大会くらいは制覇できるんじゃないかと思うくらい寝なかった(今もあんまり寝ませんが)のですが、抗ヒスタミン薬も含めた風邪の薬を飲んだ時だけはけっこう寝てくれて、抗ヒスタミン薬すごい!と感動しました。

風邪ひいてなくても毎日飲ませてやろうかと一瞬思いましたが、小児科医の良心から踏みとどまりました。セーフセーフ。

冗談はさておき、この経験から、風邪をひいている時は咳やら鼻づまりでなかなか落ち着いて眠れず体力の回復も遅れることも多い(看病する親も含めて)ので、そんな場合は抗ヒスタミン薬を足してあげることが増えました。もちろん痙攣の心配があまりない子にだけですが。

薬の本でいろいろ勉強はするのですが、実際に使ってみないとなかなかわからないものです。

 

とまぁ、父親になって変わったことはそれくらいしか思いつきません。

確かに父親になったことで日々の診療や検診の時にお母さんやお父さんの育児に対する大変さに実感を持って共感できるようになりましたが、変わったというほどではないですしね。

はじめまして」で書いたように、「子どもを育ててようやく一人前の小児科医だ」なんて言う方もいらっしゃいますが、子どもを育てていようがいまいが、いい小児科医はやっぱりいい小児科医ですし、残念なことにダメな小児科医はやっぱりダメです。

僕がどっちなのかは・・・、ノーコメントです。

まぁ、小児科医もみんな昔々は子どもだったということで許しておいてもらいましょう。

 

おっ、なんか星の王子さまの一節みたいで綺麗にまとまった。よしよし。